バーチャルオフィスの勘定科目がどうなるのかを知りたい!経費計上するポイントを紹介!

昨今、事業立ち上げのために開業する際にバーチャルオフィスの利用を検討する人が増えてきています。

しかし、レンタルオフィスやシェアオフィスとは違い、住所を借りるだけのバーチャルオフィスにおいて費用を経費計上できるのか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、バーチャルオフィスは経費計上できるのかに加え、バーチャルオフィスにおける勘定科目の分類や注意点について解説していきます。

バーチャルオフィスの費用は経費計上できる

バーチャルオフィスは実際にオフィスを借りているわけではありませんが、それでもビジネスのために利用していることに変わりはないため、バーチャルオフィスもレンタルオフィスやシェアオフィスなどと同様に費用は全額経費計上できます。

バーチャルオフィスには郵便物転送サービスや電話対応などのオプションサービスがありますが、これらもビジネスのために利用しているなら全額経費計上可能です。

法人はもちろんのこと、個人事業主であっても経費計上できます。

仮に個人事業主が自宅を住所として開業し、後にバーチャルオフィスを事業用として契約した場合でも、問題なくバーチャルオフィスの利用料金を経費とすることができるのです。

尚この場合は、バーチャルオフィスの費用だけでなく自宅でかかった家賃や光熱費も経費とすることができます。

もちろん経費計上するにはバーチャルオフィスをビジネス利用しているという証明が必要です。

開業届の納税地を自宅の住所にしていた場合は、納税地をバーチャルオフィスの住所に変更することでビジネス利用として認められやすくなるでしょう。

納税地の変更は、税務署に「所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書」を提出してください。

バーチャルオフィスの勘定科目はどうなるのか

先述したようにバーチャルオフィスの費用は経費計上できますが、実際にオフィスを借りているわけではないため勘定科目はどうなるのか気になっている人も多いことでしょう。

バーチャルオフィスの勘定科目について、基本料金とオプション料金に分けて解説していきます。

基本料金

通常オフィスを借りる場合は、賃貸オフィスなら「地代家賃」、レンタルオフィスやシェアオフィスなら「賃借料」の勘定科目となります。

しかし、バーチャルオフィスは実在のオフィスではなくあくまでも住所を借りているだけなので、勘定科目をこれらと同様にするわけにはいきません。

ではバーチャルオフィスの場合はどうすれば良いのかというと、「支払手数料」を勘定科目とするのが一般的です。

支払手数料とは、ビジネスなどで発生した費用に使用する勘定科目です。

具体的には、銀行の振込手数料や事務手数料などが支払手数料となります。

不定期で発生する費用は「雑費」が使われますが、バーチャルオフィスの費用は月額費用として定期的に発生するため勘定科目には支払手数料を使用するのが分かりやすいということで、基本的にバーチャルオフィスの勘定科目は支払手数料なのです。

しかし、支払手数料を勘定科目にしなければならないとルールで定まっているわけではないため、勘定科目として支払手数料以外のものが使われる場合もあります。

支払手数料以外では「外注費」として費用計上することも可能です。

外注費は「外注工賃」や「業務委託費」と呼ばれることもあり外部の業者に仕事を依頼した際などに使われる勘定科目ですが、バーチャルオフィスにおいては「オフィス業務を外注している」という扱いで使われます。

支払手数料と外注費どちらを使ってもかまいませんが、一度使った勘定科目は今後も継続して使うようにしましょう。

これは、経理・会計には「継続性の原則」があるためです。

オプション料金

バーチャルオフィスでは基本となる料金プランのほかに郵便物転送サービスや電話対応などのオプションサービスが用意されている場合がほとんどですが、これらオプションの利用料金も経費計上できます。

勘定科目についてはオプションごとに適切なものが異なり、主に「通信費」「外注費」「会議費」の3つが使われます。

それぞれの勘定科目がどのオプションに適用されるのか見ていきましょう。

・通信費

通信費は、電話や郵便など取引先との通信・連絡に関する費用を指します。

具体的には、携帯電話料金や荷物の配達代金、切手代などです。

また、インターネット関連の費用も通信費とすることができます。

バーチャルオフィスのオプションにおいては、「郵便物転送サービス」「電話番号利用」「FAX転送代行」などが通信費となります。

・外注費

外注費は、外部の業者や個人事業主に仕事を依頼した場合などの費用を指します。

ただし税理士や弁護士など専門性の高い相手に仕事を依頼するときは、外注費ではなく「支払手数料」や「販売手数料」です。

バーチャルオフィスのオプションにおいては、「電話秘書代行」「書類保管」「記帳代行」などが外注費となります。

・会議費

会議費は、社内外問わず会社経営に関して行われた会議や打ち合わせで発生した費用を指します。

会議費には会場費や資料代、飲食費なども含まれます。

会議費には場所や時間についての規定がないため、会議関連の費用であれば全て会議費として計上可能です。

バーチャルオフィスにおいては、「会議室の利用」が会議費となります。

これらの費用は請求書や領収書を分類・保管しておくと確定申告の際に便利です。

また、請求書や領収書がひとまとめになっている場合は個別に勘定科目を分ける必要はないため、支払手数料として経費計上しましょう。

バーチャルオフィスの勘定科目に関する注意点

バーチャルオフィスの費用は全額経費計上できますが、レンタルオフィスやシェアオフィスとは異なる点もいくつかあります。

以下のような注意点があるため、それぞれ正しく把握しておきましょう。

・バーチャルオフィスの場合は賃借料には該当しない

・勘定科目を細かく分けたほうがいいのか?

・もし仕訳を間違ってしまったらどうなる?

それぞれ詳しく解説します。

バーチャルオフィスの場合は賃借料には該当しない

バーチャルオフィスはレンタルオフィスやシェアオフィスと類似したサービスではあるものの、あくまでも住所を借りるだけで実際のオフィスを借りているわけではない…という大きな違いがあります。

そのため、バーチャルオフィスの利用料は賃借料には該当しません。

バーチャルオフィスの費用は、支払手数料または外注費として計上しておきましょう。

バーチャルオフィスの利用費用は業務委託料扱いが適切とされているためです。

レンタルオフィスやシェアオフィスの費用はもちろん賃借料で問題ありません。

備品設備の使用料なども全て含めて賃借料として扱うことができます。

勘定科目を細かく分けたほうがいいのか?

勘定科目を細かく分けたほうがいいのかについては、特に規則があるわけではないためどちらでもかまいません。

細かく分けるのが面倒であればまとめて支払手数料として計上、経費を正確に把握したいなら細かく分けると良いでしょう。

尚、細かく分けたとしてもいずれも費用扱いであることには変わりないため、課税額は支払手数料としてまとめた場合と同じになります。

ただし記帳のルールには一貫性を持たせたほうが良いため、一度決めた勘定科目はずらさないようにしましょう。

企業会計には継続性の原則があり、一度決めた科目は継続して使用する必要があるためです。

なぜ継続して使用する必要があるのかについては、「財務諸表の期間比較をしやすくするため」と「会計操作を排除するため」の2つの理由があります。

尚、勘定科目を途中で変更できる例外もあり、期中に業務形態が変わった場合は勘定科目を途中で変更できます。

勘定科目をむやみに変更していると経費の扱いが不透明となって経営状態が適切に把握できなくなってしまい、税務署から確認を受ける可能性が出てきてしまうため、継続性の原則は絶対に厳守するようにしましょう。

もし仕訳を間違ってしまったらどうなる?

仕訳を間違ってしまった場合にどうなるのかは非常に気になるところですが、仮に間違ってしまったとしても大きな影響はありません。

勘定科目が間違っていた場合は税務調査で指摘が入りますが、その際に正しい勘定科目に訂正すればそれで大丈夫です。

なぜ仕訳の間違いにそこまで厳しくないのかというと、勘定科目は明確に定まっているわけではない

曖昧な部分があるためです。

ある程度の仕訳は決まっているものの、細かい部分に関しては税理士や会計事務所によって違う場合も多々あります。

しかし、勘定科目の中でも合計金額が大きい、重要度の高いものに関しては気を配るべきです。

なぜなら、合計金額が大きい勘定科目は税務署に追及されやすいためです。

税務調査は基本的に「少額不追求」の方針をとっているため、少額の勘定科目に関しては厳格な処理が下されることはほとんどありません。

逆に言えば、金額が大きい勘定科目については注意が必要なのです。

その点、バーチャルオフィスの場合は年間の合計金額が高額になることはほとんどないため、あまり気にする必要はないでしょう。

自宅で仕事をしていてもバーチャルオフィスの費用を経費計上できる

自宅で仕事をしている人が住所取得を目的としてバーチャルオフィスを利用する場合は少なくないですが、自宅で仕事をしていてもバーチャルオフィスの費用は経費計上できます。

ただし個人事業主と法人では仕訳の仕方が違うため、それぞれ解説します。

・個人事業主の場合

個人事業主がバーチャルオフィスを利用することは、プライバシーの保護や安価で一等地の住所を使えるという明確なメリットがあります。

自宅で仕事をしている場合、バーチャルオフィスの費用だけでなく自宅の家賃や光熱費なども家事按分で経費とすることが可能です。

ただし家事按分については、自宅を仕事でどの程度使っているのかを自分で判断し比率を決めなければいけません。

この比率については税務調査で指摘される可能性も十分あり得るため、家事按分の基準を明確にし、説得力のある根拠を示せるようにしておきましょう。

バーチャルオフィスの費用の仕訳は、口座から引き落としの場合は借方が「支払手数料」貸方が「普通預金」、クレジットカード払いの場合は借方が「支払手数料」貸方が「事業主借」となります。

・法人の場合

法人の場合、バーチャルオフィスの費用の仕訳は、借方が「支払手数料」貸方が「普通預金」となります。

また、個人事業主から法人化した際に自宅をそのまま事務所とする場合は、賃貸契約を会社名義にすれば自宅を社宅とすることも可能です。

社宅とした場合、1ヶ月ごとに賃貸料相当額を支払えば給与として課税されません。

賃貸料相当額の計算式は以下の通りです。

(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント

(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))

(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。

引用 : 国税庁 役員に社宅などを貸したとき https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm

ただし自宅が社宅とは認められないぐらい豪華なものだった場合は例外で、通常支払うべき金額がそのまま賃貸料相当額となります。

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